グアテマラの弟。
気軽なエッセイを気楽に読みたくて手にとった。
片桐はいりさんと、その弟さん、家族、旅、グアテマラの暮らし。
弟さんはグアテマラに住んでいるそうだ。
ケタル?
コモエスタ?
俳優という、才能よりも運が決め手の職業柄、ことさら縁起をかついだり、得体の知れない神様にすがる人も多いけれど、わたしのはかなり小者クラスだ。
才能より運、といえる謙虚さと、それもまた事実なのかも、という気持ちと。私も運で生きてる、仲間がいた、という感覚と。
三十の声をきいた頃、わたしは約十年活動した劇団を辞めることになった。自分から望んだこととはいえ、居るべき場所がなくなって、えらく心がふらついた。
うん。ゆらぐよね。それでグアテマラに弟さんを訪ねる、という。
揺らぐとき、繋がり直すのかもしれない。
弟は毎日定時に両親の家に連絡をする。
私も前より、電話したくなったかも。
声を聞くというのは、安心感がある。
グアテマラで暮らす日本人は、あくまで日本人相手の商売をしている人が多い。ホテルやレストラン、旅行会社やガイドの人たち。それぞれ外国人としての利点を活かして生活している。だがこの人(弟)は、たとえこの国から日本人がひとりもいなくなっても、この国で、この国の人として生きていく心構えなのだ。
そういう生き方に憧れる、、
日本人としてじゃなくて。
でも、読み進めると、日本人コミュニティともつながってらっしゃるようだ。
結局、自分で自分を受け入れられるかどうか、なのかも。
どこにいようが。
今年もよろしくお願いします。