【南米・フィリピン・タイ・ベトナムの小学生と学ぶ方へ】 日本語「で」教科を学ぶ、そして「子どもの学んできた方法・ 背景文化が分かる」、“フリー!”多言語教材
東京外国語大学 多言語多文化共生センターのフリー教材がすごい。
http://www.tufs.ac.jp/blog/ts/g/cemmer/social.html外国につながる子どもたちのための教材 - 東京外国語大学多言語多文化共生センター
算数と、漢字。
フリーでPDF共有されているのが素敵。
ポルトガル語から始まり、フィリピン(タガログ)語、 スペイン語、ベトナム語、タイ語の5言語。
ベトナム語とかこれから需要もっと高まりそう。
会話はできているように見えるのに、勉強になるとできていない…
そんなコトバがネックとなって算数の内容がはっきりとつかめない 児童むけの教材。&漢字教材。
カミンズは『言語マイノリティを支える教育』の中で、
「場面依存度」と「認知力必要度」 の二つの軸で外国語習得をとらえている。
(ちなみに「生活言語能力」(Basic Interpersonal Communication Skills: BICS) と、学問で必要な論理的に考える「学習言語能力」( Cognitive Academic Language Proficiency: CALP) という概念も有名だけど、 この二元論に寄りかかりすぎるのも危ないのではないか、と思う)
場面依存度と認知力依存度のマップ、
及び読書メモ…(美しくかけるようになりたい…)
【A】「場面依存度:高」×「認知力必要度:低」→ サバイバル用のことばの力。指差し会話帳にあるような。
【B】「場面依存度:低」×「認知力必要度:低」→ メモを書き写したりする力
【C】「場面依存度:高」×「認知力必要度:高」→ 理科などを理解する力。実験の場面で視覚的に示せると分かる。
【D】「場面依存度:低」×「認知力必要度:高」→ 教科学習に必要なことば。
場面依存度が低く、認知力必要度が高いとむずかしい。
色んな教材があって、 まずは学校の中の日常生活で使う言葉を学べるような、 学校版ゆびさし会話帳みたいな、イラストと例文が豊富なものも。
今回紹介した、東京外国語大学 多言語多文化共生センターのフリー教材は
【D】「場面依存度: 低」×「認知力必要度:高」→教科学習に必要なことば、 に対応していると考えられる。
「コトバがネックとなって算数の内容がはっきりとつかめない」 児童むけ。
たとえば、
「あわせると ( )こに なります。」「( )ずつ くばると、いくつ あまりますか。」など。
「あわせる」「~ずつ」「あまる」 などの日本語の表現も覚えながら、 そしてその日本語を使いながら、日本語"で"、 算数を学べるようになっている。
「用語集(ポルトガル語訳)」もついてるが、 これは最終的なツールとして。
まずは日本語でやってみることが勧められている。
「指導者用」 のテキストでは、 ブラジルでの計算方法やポルトガル語からの視点も加えてあって、 子どもの受けてきた教育背景を、先生も知れるようになっている!
おすすめです。