『南インドキッチンの旅』、著者の齋藤名穂さんのトークセッション&展示に行きました。
チェンナイのタラブックスさんから出版。
展示の中にあったショートフィルムを眺めていたら、不覚にも涙がぶわっとあふれてきて、とてもびっくりした。
キッチン。
手のひらより少し大きいくらいの、ちっちゃなナイフ
コンロの下のシリンダーからガスがきて、チャッカマンでカチャカチャ火をつけて
プシューップシューッとけたたましく鳴る圧力鍋に最初はビビって
おうちごはん。
大家さんが招いてくれた晩ごはん、サンバル、ドーサ、ワダ、イドゥリの勢ぞろい
ドライバーさんの村で、ホーリーのために一緒に作ったグジヤ
残業明けに同僚のお家でいただいた、お母さんの激うまダルとチキンアチャール
拙いわたしのダルと食べあいっこさせてもらったラジュマやらビンディやら
大学の先生の友達の家でお泊りしたときの、ゴーヤのサブジ
Air bnbで泊めてもらったときのキチュリ
際限なく差し出されるチャパティ
家々のチャイ
当時の音や、匂いや、風景や、味の記憶がとめどなく流れてきて、数秒で目が熱くなっていた。
トークセッションで印象的だったのは、
本書はエクストリームなもの、異質なものとして描くインド旅行記ではなくて、
日常生活を豊かにするヒントをみいだす記録になっている、ということ。
そう、暮らしが好き。
いまでも、チャパティ焼いてみたり、チャイいれてみたり、謎のサブジやカレーを作ってみたり、なんやかんや月に数回はクルタを着ていたり。
インドのときのライフスタイルがその後の生活に編み込まれている、
そのことを再認識して、あたたかなきもちをもらったのでした。
わたしは北寄りインド、チャイの旅がいいなぁ😋