Ideas for good より
また、文化人類学者の大川内直子氏は、PLANETS YouTubeチャンネルの対談動画の中で、 現在のビジネス環境を「KPI管理という宗教が20〜 25年かけて蓄積してきた場所」と表現しています。かつて、 ビジネスパーソンが求める教養(リベラルアーツ)は、 予測不能な時代を生き抜くための「自己強化」や「超人思想」 として語られる側面がありました。しかし、 大川内氏が提唱する文化人類学的な知性は、 その真逆を行くものです。それは、 与えられたKPIをいかにクリアするかという「ゲームの攻略法」 を学ぶことではなく、そもそも「なぜこの数値が設定されたのか」 「この数値によって、自分たちはどう変質させられているのか」 を問い直す、メタ的な視点を提供してくれます。
実際に、短期的な数値目標だけで事業を評価せず、 あえて意味や物語を経営の軸に据える企業も現れています。 たとえば、アウトドアウェアを展開するPatagoniaは、 売上目標よりも優先して「 その行動は地球を救うことにつながるか」 というミッションへの適合性を問い続けています。また、 日系企業の中では、 テーブルウェアなどのインテリア用品を展開するKINTOも、 いわゆるKPIを設定していないといいます。彼らにとって、 短期的な数値目標は、ブランドが最も大切にする「 五感に訴える価値」や「情緒的な豊かさ」 を損なうノイズになりかねないという危機感があるためです。( KINTOへのインタビュー記事は、後日IDEAS FOR GOODにて公開予定ですのでお楽しみに!)