Just Living Diversity

マニラでのソーシャルワークとの出会い記録から、日本のソーシャルワーク×多文化/法的支援、インドで暮らし、働き、旅するカラフルさ、インド&野草ごはん、身体を解すこと、レジリエンス/回復についての試行錯誤を記録したく。 私もあなたも、ゆるく受けいれて生きていけるといいなと祈りながら。

『停電の夜に』周辺感や、伝わらない気持ちのもどかしさ、それもまた美しく

停電の夜に
ラヒリさんの短編集。じーんとする。

 

『停電の夜に』
ものが言えるようになった
白状できるように
いいなぁ、なんだか、羨ましい。
でも、言わないほうがいいことも言ってしまったんだな。。


アメリカの地図…
州の名前聞いてすぐに場所を浮かべられないけど…
ラヒリさん、ロンドンで生まれたあとロードアイランド州で育ったんだな。アジア系の少ない地域のようだ。
私の大切な人の故郷もロードアイランドだったりする、初めて地名聞いたときは離島だと思ってた🤣

 

『セクシー』
セクシーだよ、は、好きだよ、なのかなぁ
セクシーな資料は、心や身体が動く資料、なんかなぁ。
言って別れることもあるし、言わずに距離を取っていくこともあるのなぁ


『the third and final continent』
この人が地球上に存在してきた時間への畏敬
”この俺は三つの大陸で生きたのだ。お前だって越えられない壁があるものか。あの宇宙飛行士は永遠のヒーローになったとはいえ、月にいたのはたった2時間かそこらだ。私はこの新世界にかれこれ30年は住んでいる。なるほど結果からいえば私は普通のことをしたまでだ。国を出て将来を求めたのは私ばかりではないのだし、もちろん私が最初ではない。それでもこれだけの距離を旅して、これだけ何度も食事をして、これだけの人を知って、これだけの部屋に寝泊まりしたという…その一歩ずつの工程に自分でも首をひねりたくなることがある。どれだけ普通に見えようとも私自身の想像を絶すると思うことがある。”
30年かぁ。長さだけではないかもだけど、畏敬の念いだいちゃうなぁ。


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訳者の小川高義さんのあとがきも美しい。私は日本語でしか読んでいないけれど、ラヒリさんの英語もすごく美しいのだろうなと思う。それを日本語にできた小川さんも本当に繊細な人なんだと思う。


”原題に通訳インタープリターという語が入っている通りで、何かしらの異なるものに触れた時、それをどうにか自分のわかるようなものに解釈しようとする試みが作品の随所で行われている“
いわば完全に内部でも外国でもない周辺的な位置からカルカッタを見たことに後で作家となる原点があった
…その MARGINAL なポジションは私の生きてきたところと重なるところもあって、だからラヒリさんの文章が好きなのかもしれない。

 

”移民またはその子どもにとっては暮らしている場所がホームであるとは言い切れない。だから人付き合いをするよりは、図書館へ通って本を読む本が子ども時代の ラヒリには安全な時間を過ごし方だった”
私も子どもの頃めちゃ図書室に籠もってたなぁ。最近も部屋で読書ごもりしてる。🤣

 

 

【恥ずかしながら知らなかった言葉シリーズ】

◆精悍な顔. :せいかんな。
· 力強く、引き締まった顔立ち。目鼻立ちや表情が、シャープで凛々しい様子。

◆鉗子分娩(かんしぶんべん)
 鉗子(かんし)という器具は金属製の2枚のへらを組み合わせたはさみのようなもので、これで赤ちゃんの頭を両側からはさんで引き出す

◆悼む…は痛むと同じ語源なのかー

◆爾来じらい、以来

◆しゃ‐だつ
俗気がなく、さっぱりしていること。あかぬけしていること。また、そのさま。「洒脱な人柄」「軽妙洒脱」