Just Living Diversity

マニラでのソーシャルワークとの出会い記録から、日本のソーシャルワーク×多文化/法的支援、インドで暮らし、働き、旅するカラフルさ、インド&野草ごはん、身体を解すこと、レジリエンス/回復についての試行錯誤を記録したく。 私もあなたも、ゆるく受けいれて生きていけるといいなと祈りながら。

発達障害支援のコツ〜ソーシャルワークの本やった

 

発達障害支援のコツ   広瀬 宏之 (著)

 

表紙裏面に抜粋された言葉が秀逸。

「素の人間として接する。

こういうときに人間としての力が出るんです。

上手な臨床家って、

素の人間に戻るのも上手なんです。」

こちらも、発達障害支援以前に、SW、 人と関わること全般に通じるように思った。

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第一章     初回面接の要点

第二章     診断から支援へ それぞれの発達障害をどう支援するか

第三章     支援の実際 大切にしたいこととあれこれ

第四章     役立つ支援者になるには 自身のトレーニングについて

 

発達障害に限らない、 ソーシャルワーク全体にまたがるトピックだ。

●なにを、どう聴いていくか

・対処行動を聞く:そんなとき、どうしてますか?

その時どんな気持ち?気持ちと行動が結びついている

情報収集= サポート になる。いい感じに対処していたら、それをいいね、 と肯定することで、既にもうサポートになる。あるいは、 もっといい方法がありそうだったら、こういうのはできそう?( こうしなさい、ではなく)と、共同でつくっていく。

・近くから遠くへ。最近から昔へ。 その方が本人の想いの強いところから聞ける。 情報収集は共同作業である。 かけらを集めてストーリーにしていく。

・支援者である前に人間。その順番や、 人としての感覚を忘れてはいけない。 勉強するといったん下手になる。 理論や診断の枠組みをクライアントにあてはめてはいけない。 現場がいちばん大事。うまくいかないことだらけだけど、 クライアントの利益になるように、技法のいいとこどりをする。 初心者は広く浅く理論を見た方がよいが、 だんだん自分にしっくりくるものを選択していく。

・「(仮説)育て方が悪い、と自分を責める癖があるのかな/自分 を責めるとある意味楽なのかな と思いましたが、合っていますか?」 見立て、仮説を相手に問いかけてみる。確認する。共同作業。

・音色も大切。イントネーション、トーン。

 

●面接の後に何かが変わっているように

・支援には作用と副作用がある。プライドが傷つく。 面接の後につらくなっちゃったら教えてね。と伝えておく。 無理しないで。何かあったら電話ください。

→支援者が自分の支援についてFBを受けられるようにしておくこ とが大切。

・面接の後、お薬を渡すときにも、 良い方向に向かっていますように、 という思いを込めることが大切。

・介入前後の変化を観察する。①生理(顔色、表情、)・行動( 動き)・言語(内容と構造)②親や周りとの関係性③自発( 介入前)・誘発(介入後)

 

●あと5分

いつでもあと5分で終えることができる面接→ 面接の最初から支援が行われている。情報収集だけでなく、 共にあるとかいうことでも。

何か一緒に書類の準備などする場合でも、その中でもっと、現在、 過去、未来、家族、衣食住、言語などなど、 観察していけるようになるといいな。

●次回への連続性

具体的な約束、連絡手段、心の中でのつながり。そして、 余韻を残す。まだ雪降ってますか。気を付けて帰ってくださいね。 お疲れさまでした。など。これも面接に限らないな。 余韻は自然にやってるかも、わたし。

●見立て、フォーミュレーション、アセスメント

・現在、過去、未来という時間軸のなかでの情報。

・現在の様子を観察しながら「相談の前」を想像する。 フラクタル。困り感と相談へのためらいの間での揺れがある。

・ストーリーのバージョンアップ。アセスメントは変わっていく。

・主訴、発達、家族、生活、診断

・アセスメントを共有する。発達の特性や、 親と子の関わり方など。はたらくとき、 全ての人間関係で活かせるように思う。 非難ではなくさわやかにポジティブに。例:「 すごーくがんばってるけど、大変じゃない? もっと力抜いても大丈夫だし、そのほうが伸びるかもしれないよ。 」「もっと~~しないともったいない。~~ なところとってもいいとおもうから。」などなど。

・出会った瞬間に8割アセスメントが終わっているのが理想。 マッサージとかする時のクライアントの見立てもそうかもしれない 。ただし、アセスメントは修正する。

・先入観はあってよい、修正することが大事。

 

●支援者として、人として

・支援は小さいほうがよくて、 クライアントが自給自足できるのがよい

・自分をケアする方法をもっておくこと:うまくいかないことも多 いから。少しの万能感、こういうことできるようになった、 というのを持っておくことも大切。 クライアントや支援から力をもらわないって、 むかいやちさんも言っていたけど。

 

フラットで素敵な語り口だな。

わたしも人として魅力が磨かれていくといいな~